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映画おじさんの絶品クリームシチュー

謎テンションで新作映画の感想を書きます。

天才スピヴェット



可愛らしい。面白い。良い映画だな~~~良い映画でした!

ド田舎のモンタナの牧場で育った天才少年TSスピヴェットが自身の科学賞の授賞式へ参加するべく、弟の事故死によって心に穴が空いたままの家族に黙ってワシントンDCへと一人旅立つお話なのだけれど、映像作品として非常に面白い、ワクワクする映画でした。

映画自体は「家族」がメインテーマとも言える作りになっていて、前述の通り弟の事故死という衝撃的なエピソードが冒頭で語られ、その悲劇に対して家族各々が抱く感情だったり、残されたスピヴェットの自責の念や存在価値に対する苦悩だったりが描かれ、そして最後に示される家族愛…という大筋で、勿論そのストーリーも良いは良いんだけど、僕がこの映画に対してここまで「嗚呼いい映画だなあ…いいなあ…」って思えた理由はもっと他にある気がします。それはですね、映画を見ている時に終始感じていたワクワク感です!ずばり!ワクワクするんだよこの映画はめっちゃくちゃワクワクするんです!それがいいんです。

まずTSスピヴェットの周囲を取り巻く環境がいい。天才少年が山と川しかないようなド田舎で暮らしてるのも面白いし(姉にグチグチと小言を言われながら一生懸命とうもろこしを図面に書き下ろしてる様だけでも「なんだこれ!?」って感じで面白い。)、時代錯誤のカウボーイであるパパ、昆虫博士のママ、とか家庭環境とかその辺からしてぶっ飛んでて面白い。ワクワクするに決まってる!

そして曲が良い。大冒険してるときにずっと流れるカントリー調の曲がすっげぇ良い。それは予告編でもちょっとだけ聴けるから是非聴いてみてね。


映画『天才スピヴェット』予告編 - YouTube


こんな感じの曲がずっと流れながら小さな少年が一人で家出するんだからワクワクするしかないでしょ!!!

そして演出がこれ、また良いんですね。予告編にも登場する、飛び出す絵本を用いた次章を告げるアイキャッチとか、もはや鉄板ネタですと言わんばかりに執拗に用いられる、角度を計算するような演出とか、一人旅のワクワクだけではなく映像としての楽しさでワクワクさせてくれるのもまたいい。旅の支度をする時の演出も良い。予告編やイントロダクションで仕入れた情報からして、これが3D映画だと知ったときの印象は「別に3Dの意味ないでしょ」というのが率直なところだったのだけれど、3Dという部分にもワクワクの一助を担わせてるんだなあという意図は汲み取れたのでアリと思えた。

そしてそして、T.Sスピヴェット君がそもそも魅力的。何が魅力的かって、「天才」としての側面と「10歳の少年」としての側面とのバランスが絶妙なんです。例えば旅の支度をするときに、絶対それ無くても平気だろ!ってものまで詰め込んで大荷物になってたり、天才だったらそれが非効率的ってことくらいわかるだろ!ってツッコミ入れたくなるところを持ち合わせてるのが良い。赤のノートと紫のノートを持ち歩いて別々に使ってるところとかも、いい。スピヴェットは天才だけど大人びてないし生意気じゃない。鼻にかからない。ただただ可愛い。演じるカイル・キャトレット君はこれで長編デビュー作だってんだから凄い!

更にですね、旅の途中で登場するおっさんおばさん達がみんな最高に良い奴なんですね。いくら大人顔負けの思考回路で科学賞授賞してしまうような天才でも10歳なんだから一人旅なんて危ないに決まってて、こっちも存分に子を見守る親的なポジションで鑑賞してしまうわけです!そんな中、旅の道中にT.Sが出会うおっさん達の魅力たるや。「粋!!!」って感じ。グッとくるんですな~~~グッとくるんですわ。これがね。

ワシントンに着いて授与式が始まってからの流れは正直うーんって箇所もあったけど、何よりやっぱこの家族最高に良いな!って思わせてくれる締めくくり方だったのでオールオーケーですわ。あと自分が見た劇場の動員数としては席数に対して3割くらいのお客さんだったけど、笑いどころでは皆声だして笑ってたし、俺も普通に笑ってしまった。良い映画です。本当に。オススメです!!また見たい!!