映画おじさんの絶品クリームシチュー

謎テンションで新作映画の感想を書きます。

96時間 レクイエム 感想

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「96時間レクイエム」は96時間シリーズの3作目です。今回、このレクイエムを劇場で観るべく前作までをレンタルで視聴しました。このシリーズを簡潔に紹介するなら、子離れが全くできない親ばかパパのリーアム・ニーソンが、大好きで大好きで大好きで仕方ない娘に危険が及ぶ度に大激怒し、元CIAの実力をいかんなく発揮して悪役を片っ端からボッコボコに蹴散らしていくアクション映画です。

前作の印象を申し上げると、1作目の96時間は5億点の傑作、2作目の96時間リベンジは良作という感想になります。1作目がね~~~最高すぎるんですわ。冒頭20分でリーアム・ニーソンパパの娘への溺愛っぷりを紹介しつつ、その娘が誘拐されてからの殺人マシーンへの変貌っぷりがもう爽快という他ない。娘がさらわれた超人パパが悪党を蹴散らすといえば勿論「コマンドー」だけど(個人的見解)、メイトリックスに負けず劣らず今回のニーソンパパも超人なんです。去年の名作「イコライザー」にも共通する、ただただ主人公の圧倒的力量を楽しむアクション映画といえばわかりやすいかな。娘のこととなると目の色を変えて、観てるこっちが「いや、そこまでせんでええやろ…」と思うくらいやりたい放題に悪党を蹴散らすニーソンパパ。娘の居場所を突き止めるためなら目を背けたくなるような拷問も平気で行い、口を割ったら割ったで「お前を信用する……だが死んでもらう」と結局ぶっ殺すニーソンパパ。「し、仕方なくやったんだ…お前に恨みはなかったんだ…」と命乞いする敵には「俺は恨みしかねぇよ!!」と容赦なく銃殺するニーソンパパ。結局劇中の最後の最後まで子煩悩を貫き通すニーソンパパ。最高や!!!もう一度いうけど、最高や!!!!!!僕はこの96時間シリーズを見て気が付きました。「俺はこういう映画が好きなんや!」と。どういう映画かというと、「主人公が無双すぎてハラハラ感の無いアクション映画」です。

でもね~~~2作目がね~~~~~う~~ん、監督も交替しちゃったからか、う~~ん…いや退屈は全然しなかったけど1作目と比較したら、う~~ん。事件が起こるまでは良かったです。愛して愛して止まない娘に彼氏が出来てしまってパパがGPSで娘の居所を突き詰めてイチャイチャタイムを阻止するシーンとかめっちゃ笑ったし、奥さんと「お願い、彼氏の居場所を割り出したりだけはしないで」「ああ。悪いことはしないさ。」的な会話をした直後のシーンでもう既に彼氏の家に押しかけてるのとかもう、最高ですわね。クソ親バカリーアム・ニーソンパパが見れただけで続編の価値ありですわね。しかしね~~アクションのバランスが…敵を容赦なくガシガシとなぎ倒すことを期待してたけど、どちらかというと爽快感ではなくハラハラ感に傾倒してしまってる…でもこれ1作目と同じことしてもつまんないだけだし、バランスが難しいのは解ってるんですけどね…はい。でも娘さんがニーソンパパのサポート役としてしっかり成り立ってるのとか、この親にしてこの子ありな感じとかは良かったですね。あと、1作目も2作目も上映時間が90分程度の短い尺だという点も最高です。映画はだらだらしないに限る!

で、ここまでブログ書いておいて、昨日ようやく最終章にあたる本作を観ました。

はっきりいって最高すぎました。5億点。5億点ですわこれ……。まず不穏な冒頭シーンのあとに挿入されるオープニング。ぐ~~~っと夜景を俯瞰的に映しだされたショットにクレジットが添えられ、2作目と同様の手法でシュシュシュッとカメラが乱れるあの感じ、うおおおお96時間が始まったあああああってなるよね!なるんですよ。で、そのオープニングが明けた途端に映し出される、愛娘キムのある問題がもう、これ、爆笑するしかないでしょ。「いやこれニーソンパパが知ったら泡吹いて死ぬんじゃないの…」という不安がよぎり、それを想像するだけで爆笑してしまう。

そして事件が発生してからの展開なんだけど、これも素晴らしかった。2作目で「う~~ん」って思ったところがほぼほぼ解消されていた。メガトン監督すばらし!!!具体的に何が素晴らしいかというと、二作目で欠いてしまっていた「ニーソンパパ最強感」が完全復活していたことなんですね~~。無双。無双。そりゃそうだ。今回ニーソンパパはまず濡れ衣を着せられて容疑者として警察から逃げる羽目になるんだけど、ニーソンパパにとって警官なんて赤子の手をひねるようなもんだからね。今回はシリーズ3作目ということで最強具合も更にスケールアップ、無双っぷりがぶっとびすぎてて本当に笑いました。特に笑ったシーンとしては、ニーソンパパが真犯人を見つけ出すため、監視カメラへ残された録画データをチェックするシーン。

アクション映画やホラー映画における緊迫感を演出する手法として、追われる側と追う側のカットバックというものがあります。例えて説明するなら、追われる側が部屋の出口で必死に鍵を開けている。追う側がどんどんその部屋へ近づいてる!追われる側は鍵がなかなか開けられない!追う側はもう部屋の目の前だ!追われる側の作業はまだ終わらない!追う側がついに扉を開ける! バンッ!!するとそこには、既にこつぜんと姿を消した空き部屋が…… こういう演出、わかりますよね?よくありますよね。「あああああ早く早く!もうだめだ~~~~!!……あれ?いない…。」と。イメージできました?カメラの切り替えによる緊迫感のあるシーン、想像できますよね。96時間シリーズでもご多分に漏れずこういう演出は今までも使われてきたんだけど、この監視カメラのシーンでも同じ手法が使われてたのね。

真犯人を突き止めるために録画データをゆっくり再生していくニーソンパパ。しかし警官がその部屋へ近づいていく。録画データは粗くてうまく再生出来ないニーソンパパ。警官はもう目前まで迫っている!録画データに真犯人が少しだけ映しだされた!しかし警官がついにその部屋へ入ってきてしまった!「抵抗するな、手を上げろ!!!!」 で、ニーソンパパ万事休す!ってなるのかと思ったら、警察のことをガン無視して尚も録画データのチェックをし続けるニーソンパパ。ガン無視。ただただガン無視。「おい!動くな!手を上げろ!おい!手を上げろって言ってんだろ!おい!手をあげろ!!手を上げろ!!!」「・・・・・・。(録画データ分析に没頭)」 こんなんもう笑うしか無いでしょ。なんなんだこれ。面白すぎる。無双のベクトルが多種多様すぎて笑ってしまう。警察ガン無視でひとしきり調べ終えたら満足そうに手を上げてパトカーで連行、当たり前のように道中でパトカーを逆にジャックして逃げるニーソンパパ。あのシーンは最高だな~~~~そうきたか!って感じ。カットバックをそういう風に使うのね……アホでしょこの映画(絶賛してます。)

次に笑ったのは、「殺された?」というミスリードの雑さ加減。山道に車を走らせるニーソンパパが突如奇襲に遭い、車ごと大爆発して敵達が「やったぜ」って感じで不敵に笑うシーンがあるんだけど、その次のシーンで平然とニーソンパパが歩いてるのね。いやいやいやお前たった今殺されたはずやろ!!って感じなんだけど、観客も「どうせ今の奇襲じゃ殺されてないんでしょ」ってわかってるから、「生きてたのか…!」みたいなシーンが丸々後回しにされて普通に次のシーンにいってるの。最強だからってやりたい放題すぎでしょ。一応その後に「殺されたはずじゃ…」みたいなセリフが申し訳程度に入るけど、どうやって生還したかの説明描写はマジで0.2秒くらい静止画が写されるだけだし、せっかくミスリードっぽいことしたクセにそれをひっぱろうという考えが最初から除外されてるのが本当に面白い。

ともかく96時間の美味しいところだけを凝縮させたような最終章で、物語の進み具合もなるほどなるほどって感じだし、シリーズのお約束は全部入ってるし、1,2に比べて娘さんがお父さんにメロメロになりすぎてるきらいはあるものの、それももういいでしょう!惜しむらくはメガトン監督特有の「わけわかんないぐらいカメラの視点を切り替える演出」のせいでカーチェイスシーンとか目が痛いだけでよくわかんなかったということと(多分エヴァのオープニングよりも激しくカメラ切り替わってるわ。)、回想シーンとかがモーショングラフィックスっぽいおしゃれ演出のせいでみにくくなってることだけど、文句言いたい箇所は本当にそれくらい。

何より、初代からずっと醍醐味だった「娘のためなら他の何を犠牲にだってしてやる(一般市民さえも)」的な偏りまくったリーアム・ニーソンのスタンスをまるごと体現するような、最高にシビれる一言が物語終盤に用意されてて、あれはもうシリーズ見てた人からしたら「うおおおおおおおよく言った!よく言った!パパ格好良すぎんよおおううううわああああおあおあああああ」って感じだし、実際俺はレイトショーで人がいないのをいいことに「かっこいい・・・かっこいいいぅぅううおお」って嗚咽を漏らしてましたので。正直ね。新年一発目からこんな自分好みな映画みて大丈夫なの?って心配になるくらい良かったです。ほんと最高。2で監督変わった時にぶーぶー言ってごめんよ。最高だったよオリヴィエ・メガトン先生……

おわり