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映画おじさんの絶品クリームシチュー

謎テンションで新作映画の感想を書きます。

アメリカン・スナイパー 感想

やっぱ下馬評高いだけはあるなぁと思いました。二時間半があっという間。

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愛国心と正義感からイラク戦争の兵士になったクリス・カイルは狙撃の名手で、周囲から「レジェンド」と呼ばれ戦場で何百人を射殺して大活躍する。その一方で戦場に赴く度に心は蝕まれて続け、家族との心は離れていく。こうして戦争にどんどん狂わされていったクリス・カイルという男を描く、史実に基づいた映画なのだけれど、主演男優のブラッドリー・クーパーの演技はすんばらしいですね~~~それだけでも体感時間があっという間に感じられた!!!

祖国を守る戦士として、また家族を愛する旦那としての二面性がそれぞれシーンを分けて描かれるんだけど、交互にシーンが映されていくうちにクリスカイルが少しずつ着実に狂っていく。その姿が実に生々しくて最高なんですな~~~。狂ってるクリスカイル自身の様子もさることながら、「そりゃそんな環境にずっといたら頭も狂ってしまうわ」と納得出来る戦場シーンも圧巻。

純粋すぎる愛国心からシールズ(軍隊)に入ったクリスカイルは、戦争に行くことは国を守ることであり、国を守ることは家族を守ることである…とそんな具合に考えてるから、戦場に赴くことと良き父であり続けることに矛盾が無い。だけど取り残された妻側からしたらたまったもんじゃない。特に印象的なのは、カイルの妻が電話でお腹の赤ちゃんが男の子であることを報告していた最中、電話ごしから突然爆撃音が聞こえてカイルの声が途絶えるシーン。妻からすれば、まさしく、為す術なし。助けに行こうにも海を越えなければいけないし、安否を確認しようにも通信は途絶えたまま。帰国予定日までただただ不安な夜を過ごし続けるほかない。拷問すぎるやろ……。

妻の苦悩もさることながら、クリスカイル自身も勿論、戦場に赴く度に精神を擦り減らせてゆく。誇りをかけて国を守る意志で兵士になったクリス・カイルだが、実際にはヒロイックに敵を蹴散らすどころか、自軍を守るためにか弱い女子供を殺さなければならない状況を強いられる始末。バズーカーを拾おうとする少年に遠くから銃を向けながら「捨ててくれ」と懇願するシーンは印象的で、汗びっしょりで呼吸も荒く、異様としか言いようのない様相を呈している。こういう戦場描写の積み重ねはクリスカイルの精神崩壊にとても説得力を添えているし、ただならぬ状態が伝われば伝わるほどに映画から目が離せなくなる。

クリス・カイルは無事帰国してからも精神に後遺症を残し、街並みの環境音が銃声に聞こえたり、じゃれつく犬を殺そうとしたり、もう戦場シーンよりも日常シーンのほうが異様になっている。こういうこと言うと誤解を招くけど、この「異様さ」こそがこの映画を面白いと感じられた最たる要素だと思うんだよな~~~。エンドロールしかり。異様。うん。だから面白かったんだと思う。狂ってるんだよなあ。面白かった。あ、こんな結論ですみません、すみません…ss ともかくブラッドリー・クーパーの演技は凄いなあと思いました。

あ、そうそう。単身赴任を絶対にしたくないなと思いました。

疲れたからおわり。