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映画おじさんの絶品クリームシチュー

謎テンションで新作映画の感想を書きます。

シェフ 三つ星フードトラック始めました 感想

楽しいし美味しい映画でした くぅ~~~~~

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ロスの一流レストランの料理長カールは、評論家を唸らせる創作料理を作ってやろうと早朝から極上の素材を仕入れて息巻いていたが、レストランのオーナーに「勝手なことをするな、今までどおりのメニューでやれ。」と命令され、しぶしぶ言われるがまま古典的な内容のディナーを調理する。それを食べた評論家は、その料理に対して「昔の輝いてたお前の料理は見る影もないな」とボロ叩き。カールは評論家とTwitter上で大喧嘩してネットで大炎上したり、レストランもクビになったりと散々な目にあう始末。そこで「再び一から自分のやりたいように料理を作ろう」と決めて、フードトラックでサンドイッチを売りながら旅することとなる…… 的なお話なんだけども、この映画に語り口はいろいろあれど、俺は親子愛という観点による魅力が一番強いなぁと思いました!!

この映画の主演から脚本、監督まで務めているジョン・ファヴローが、自己のキャリアを投影して作られたのがこのシェフという映画である…というのは各ブログや評論で必ず触れられる点であるが、料理に限らず創作という広義においても「自分が作りたいものを作ることに勝る幸せは無い」というのは創作人にとって永遠のテーマですよね。僕も一応、本当に一応、創作活動を嗜む人間の端くれなんだけれど、僕のTwitterのタイムラインには僕の五億倍実力のある人らが「毎日ゴミ作って辛い…」と愚痴を吐いてたりして、闇を感じざるをえないしな~~~。創作はプライベートワークに勝る幸福なしでございますね。でもジョン・ファヴローの代表作であるアイアンマンを見てみたんだけど普通に面白かったからな。めっちゃ面白かったからな。何が面白いって装甲を自作していく過程のワクワク感がですね~~~。でも2は評判が落ちてるみたいだから、売れた映画の続編無理やり作らされた感じなんですかね~とか考えると…おぉふ…もう…いやこれ、あかんわ。この話おわり。

さて、この映画の良いところは主人公の生きていく中で「料理なくして俺の人生なし」という大前提が存在してるところなんですねー。だからネットで大炎上しようと仕事をクビになって雇い先が見つからなかろうと、とりあえず料理作れる環境にだけは居よう…ということだけは絶対に考えてるんですな。だから驚くほど葛藤なく「フードトラック屋台を始める」という結論に落ち着く。なぜなら彼は料理さえ作れていれば少なくとも第一の幸せは確保出来てるからですね。うんうん。お前は本当にそれのことばっかり考えてるなぁって趣味を持つって最高にいいよな!俺は大学の頃ずーーっと狂ったように創作活動してたけど、この「狂ったように」という経験は本当にいいものである。

そして更に冒頭で触れた家族愛という視点がこの映画をより良いものにしております。中でも(シェフだけに)スパイスになっているのが、要所要所に入る「下ネタ」なんですね~~~。レストランで働いていた時期のカールは息子に「職場見学したい」とせがまれても子供が来る場所じゃないと追い返し、休日にはくっそ"事務的"な家族サービス(映画に行ったり遊園地に行ったりするも心ここにあらず)で半ば義務のように息子の相手をしてるんだけど、この頃のカールは息子が「Shit!!」とか言ったら「そんな下品な言葉は使うな!」と叱ってたんですね。でもこれは父親としての"事務的な叱り"なんです。父親としてしかるべきシーンだから建前上で叱ってるだけ。それが息子と一緒にフードトラック屋台で各地にサンドイッチを売るようになってからはどうなるかというと。ドライブしながらHot 8 Brass Bandの「セクシャル・ヒーリング」って曲を皆で熱唱するんだけど、もう下品で下品で!!最高なんだよな~~~このシーン!!!下に動画があるので是非観てね。

何が最高かって、息子に「汚い言葉は使うんじゃない」とか形式的な親ヅラを見せてたカールが、のびのびと自分の背中を見せて育ててるシーンだからなんだよ!!セクシャル・ヒーリングの和訳をぐぐると「僕が欲しいのはセクシャルな癒しなんだ」というような和訳が出てくるけど、このシーンの字幕では「セックスして気持よくなろう~~~~♪♪」みたいな意訳になってて、それがまた良いというか、翻訳家の人ちゃんと解って訳してるな!って思う。トラックでゲラゲラ笑いながら男三人でこの歌を歌うニュアンスが伝わってくる!!!底抜けに楽しい映画でありつつPG12なのは下品だからに間違いないんだけど、下品さに意味があるから良いですな。意味のある下品って意味不明やけど。このシーンもそうだし、キンタマコーンスターチをかけて「気持ちいいぞ、お前もやるか?」と息子に差し出すという最高に下品なシーンも、男として認めてる感というか、二人の自然体というか、親子の絆が芽生えていることがよくわかるシーンになってるんですね。やってることはキンタマコーンスターチやけどね。

ただまぁ、物語通して終始あっさりした味付けの映画だなとは思いました。シェフだけにね。ドスンと心に残る映画ではない、ある意味、後味の残らない映画でした!シェフだけにね!!!!! あとマーティンのキャラ良すぎだったな… おわり。