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映画おじさんの絶品クリームシチュー

謎テンションで新作映画の感想を書きます。

バケモノの子 感想

膨らむ期待に全力で応えてくれた快作でした。幸せや…。

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孤児の主人公九太と、暴れん坊で不器用な熊徹がひょんなことから巡り会って師弟関係を築くという、おおかみこどもと毛色が全く違いつつ引き続き「親子」を描く細田守監督の最新作!めっちゃくちゃ面白かったで!!!!!

 

まず冒頭のナレーションだけで興奮度が閾値を超えるレベル。絵面だけ説明するなら炎がいろんな形に変わるだけのCGアニメーションなんだけども、それだけでワクワクワクワクが止まらない!人間界とは別にバケモノの世界が存在して、優秀なバケモノと粗暴なバケモノが次の長の座を賭けて争ってるんだよ〜。的な説明をナレーションされるだけなのにどうしてこんなに興奮が止まらないの!!細田作品の「オープニングでめっちゃワクワクしてしまう感」はほんとに異常だ。三年に一度の夏の風物詩。劇場でゾクゾクくるこの感じたまらん。

幼い九太にとって信頼を寄せてるのは亡き母親だけであり、その他の人間は九太目線において非常に冷たく描かれてます。具体的には目が描かれない。母の葬式の最中に九太を引き取る云々を話し合ってる親族らも、渋谷で九太を補導しようとする警官も、のっぺらぼうに描かれる。そんな天涯孤独な九太が路上で座り込んでるところに偶然通りかかった熊徹が「坊主、もっとよく顔を見せてみろ」と、羽織ってるフードの中から鋭い目を見せる。これがとても印象的なワンショットになってて良い!!! この眼光、人間じゃねぇ!?という衝撃に加え、九太にとって特別な存在となる運命的出会いってのもガンガン伝わってくる!

なんやかんやで喧嘩しながらも師弟関係になっていく二人なんだけど、この成長の過程がめっちゃくちゃ面白ぇ!!不器用な熊徹から九太が武術を学び取ろうとするその手段が、うひゃーーーおもしれぇ!!!!そしてメキメキ成長する九太から逆に多くを学ぶ熊徹。稽古を通して密に繋がっていく信頼関係。「飯を食う早さを競って負けたほうが片付けをする」というハウスルールが知らぬ間に形成されてるこの感じとか、はあああなんだこの師弟最高か?????めちゃくちゃおもしろいんですけど!!! これ褒め言葉になってないけど、正直クライマックスよりこの成長過程のシーンが一番面白かったからな。そしてそれこそこの映画の難点なんですわ…。 

そうした稽古シーンを経て時系列は移り変わり、クソガキ九太の見る影もなくすっかり立派な青年と化した17歳の九太がふいに人間界へと戻るシーンがあるんだけれども、バケモノ界に慣れてた俺ら観客は突如人間界に放り出された九太を通して、まさしく俺らが生活してるこの人間界の「異様さ」が伝わってきてそれが面白い!!!!「なんで空にでっかい機械が浮かんでるの!?」(飛行機)、「なんで路上に大音量で音楽流れてんの!?なんで皆それを無視して通行してるの!?」(巨大電光掲示板)、この異様さ。人間界こう見たらほんま異様やなーーーおもしれぇ!!!!

あとヒロイン楓ちゃんの可愛さね。物理的な意味で迫ってくる九太に怯えて持ってる学生鞄を胸元にもってくる仕草がリアルで良かったです。CV広瀬すずなのねーーいいですねーーー。明らかに緊急の連絡っぽい九太からの連絡を受けても割とおめかししてるっぽい外見で登場するとことかですねーーいいですねーー(曲解)今回、後半になって突如ヒロインが表れて、それをご都合主義的だと揶揄する方も取ってつけたような存在と批判する方もいますが、僕は楓ちゃん好きです…可愛いし。

ここまでは良かったんだけど、前述の通りクライマックスよりも成長過程のほうが楽しめたのは否めないな…一郎彦を救う方向に物語が展開しなかったからかな……。

 

こっからは蛇足だけど、次期長老を決める大試合やのにレフェリーのカウント曖昧すぎやろ!9で止めすぎやろ!明らかに熊徹寄りすぎ!なんて考えたら野暮なんやろなぁとか、たまごごはん別に生臭くないし美味しいやろ!とか、あれだけの大爆発を起こしておきながらハッピーエンドのために「全員軽傷のみ」って…とか、こういう野暮なところに目がつくようになったのは悪い意味で大人になったからなんやろね…。

おわり。