映画おじさんの絶品クリームシチュー

謎テンションで新作映画の感想を書きます。

ブリッジ・オブ・スパイ 感想

新年二発目もまた素晴らしく名作でした…2016年飛ばし過ぎじゃない?大丈夫???

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f:id:ma2baga2:20160125005641p:plain 歴史的背景なんかは別に良いからとにかく見ようぜ

この映画はアメリカとソ連が冷戦状態だった時代に、アメリカで逮捕されたソ連のスパイを弁護することになったドノヴァンという弁護士を主役とした史実に基づく物語なんだけど(いつもの雑あらすじ) もうソ連だの冷戦だのっていう中高の授業で聞いたようなワードが少しでも出ただけで、僕みたいな部類の人間は「ウッ……ま、まあ観なくても良いかな~???最近寒いしね~?(雑言い訳)」ってなっちゃうよね(極論)。でも結論から言ってそんなのとても勿体無い!!この映画は無類に面白いものでした。
僕がウッ…となりつつも観に行きたいと思えたのは、周囲の評判が良かったこと、スピルバーグ最新作であること、コーエン兄弟が脚本であること、それらも勿論あったけれど、何よりこのオリラジあっちゃんのプレゼンがすごい良かったからですね。

これはどうやら無学を盾に敬遠してる場合じゃなさそうだなと思って観に行きました。これが大正解だった!!良かったぞ~~観に行ったほうがいいですぞ~~~~~~~。

なんやねん今回のテンション…
 

f:id:ma2baga2:20160125005641p:plain 自分の信じる正義を貫けるか。

あらすじとしては上述の通り、全国民の敵にあたる「ソ連のスパイ」の弁護を引き受けた男の物語で、それはアメリカ国民にとって「自分たちを殺そうとしている奴を庇う」という行為を意味してるんですね。当然、裏切り者だ非国民だと世間からのバッシングは酷いもんで、家に発砲されてガラスを割られるわ、街を歩けば白い目で見られるわ…。つい先日まで堅実に保険関係の弁護をしてた一般市民ドノヴァンが、この仕事を担うがために一気に全国民を敵に回すわけです。それでもドノヴァンは最後の最後までソ連のスパイ、アベルを弁護する。もう家族にまで嫌がらせの被害が及んだりしてたし、観てるこっちも「いや、弁護の役割を果たすのもいいけど、ここまで来たらもうそこは折れろよ……」みたいに思うんだけど、それでも愚直に弁護するんですよ。頑固なんだよな~~~ドノヴァン。もう、頑固!!!頑固すぎ!!!!

だから実はね、映画のかなーり終盤に至るまで僕はずっと「いやーーなんかこのドノヴァンって主人公、あまり共感できねーなーー。独りよがりで家族にまで迷惑かけてるだけじゃねーー???」とか思ってたんですよ。正義ってその時々で変わるもんで、家族を守るために弁護を拒否することが正義かもしれないじゃないですか。ソ連に攻め込まれないためにスパイを死刑にするのが正義かもしれないじゃないですか。でも、ドノヴァンの正義はそこにはなくて、叩かれながらもソ連スパイの弁護を一生懸命するんですよ。ともすればそれは悪として歴史に刻まれるかもしれないのに。

これは史実であり映画だから今となってはハッピーエンドが約束されてるけど、一生嫌がらせを受けながら家族共々死ぬまで白い目で見られる未来だってあったかもしれない。ある意味リスクを顧みない向こう見ずな野郎なんだけど、結果として彼は最後の最後まで自分の正義を貫いたことで誰にも出来ない偉業を成し得たわけだから、そりゃやっぱり滾るんですねーーーー。

まとめます。これはつまりどういう話かというと、"他でもない自分が決めたことを愚直に実行し続けた男の物語"だと思うんですよ!!! 上のCMであっちゃんは「信念」と形容していたけれど、それはまさしく言い得て妙で、よほど確固たる意志を持たないとドノヴァンのような行動は絶対にとれないんですよ。信念なんですよ。信念なんですよ!!!!!!!!!!!(大興奮)

あーーーーこんなに長々書いてるのにあんまり伝わらないな????

 

 

f:id:ma2baga2:20160125005641p:plain 静かで上品、粋なエンターテイメント

とは言ってもですね。先に言ってしまうとこの映画、見方によってはすごく地味なんですよ。恐竜は出てこないし、サメも出てこない、ましてや自転車は空を飛ばない。最初の方は「いつ盛り上がるのかな~?」なんて思いながら観てたんだけど、驚くことに終始静かな展開が続きます。わかりやすいエンタメを求める傾向にある僕にとってそれは一見苦痛なのではないか?と思うんだけど、実際はどうでしょう。全く退屈しないどころかむしろどんどん引き込まれてしまって驚きました。

ハラハラする駆け引きや心理戦、派手なアクションシーン、そんなものが無いのにちゃーーんとスピルバーグ印のエンタメ映画としても成立している。彼自身、大きく分類して二種類の作品(万人ウケ狙いとそうでないやつ)を作ってると公言してるらしいけど、今回が後者だとしてもちゃんとエンタメ気質は貫いてるやん!と思いました。

大盛り上がりするわけではなく、ただ静かに、だけど着実に、物語が動いていく。ネタバレに気をつけながら具体的な例を出すと、物語クライマックスでドノヴァンが最後の「周囲の反対を押し切りながら自分の正義を貫く行為」に及ぶんですね。それを見たアベル(ドノヴァンに弁護されてたスパイですね)がボソッと呟く一言……!!!!とかねーーーーもうねーーーーーあのシーーン!!!!!!!ああああああああああああああああああああ良かった良かった良かった良かった良かった良かった(思考停止)

こってり高カロリーな演出も欲しくなるけど、この映画は微かな、それでいて確かな味わいが素晴らしい映画でした。そしてそれを僕は上品で、粋なエンターテイメントと銘打ちたくなりました!!!

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左がアベル、右がドノヴァン。

 

f:id:ma2baga2:20160125005641p:plain 演技が良かった!撮影が良かった!後味が良かった!

勿論トム・ハンクスも良かったけど、アベル役のマーク・ライランスって人の演技がねーーーーもうほんっっっっとに最高よ。最低限の動き、表情で最大限の説得力で僕らを圧倒してきます。肝の据わった感じ、何を考えてるのかイマイチよくわからない、はーーーーなんというか…もう、この演技の魅力を言葉で伝えるのは僕には無理。次いきましょ…(ここんとこずっと適当すぎやろこのブログ)

あまり小難しいことはわからないし書かないようにしてるけど、今回は撮影が良かったように感じました。画角だったり色調など、あのパリッとした感じとか、素人目にも撮影技術がいいな~~みたいなこと言いたくなる感じでした!特にスパイ受け渡しの場面がとても良くて、このシーンは物語を通しても二人に最も友情を感じる重要なシーンとなっているんだけど、そこに少しだけ胸がざわつくような演出がなされていて、あの時の画角というか、撮り方、めっっっちゃ良かったよな~~~!!上から、そして遠くから…ああああああなんか小難しい話やっぱ僕には無理ですね…次いきましょ…(適当)
で、この映画、すっっっっごく後味が良いんですよ。というか、ドノヴァンがわかりやすくしっかり報われるんですね。お疲れ様、ドノヴァン…って!!!これが良い…結末というのは多くを語らず幕引きってのがオシャレだという意見も理解できるけど、僕はこのクライマックス良かったですね~~~は~~~~(余韻)
 
褒めちぎった後に少しだけ保険をかけておくと中盤までは「いつ盛り上がるんだ?このまま終わってまうんか?」だの「主人公頑固すぎて共感できね~~」だの思ってたくらいなんで、終始ノリきれない人は居てもおかしくないとは思います……でも僕は強くオススメしたいです! おわり。