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映画おじさんの絶品クリームシチュー

謎テンションで新作映画の感想を書きます。

リリーのすべて 感想

間違いなく良質、でも個人的には響かない。一番感想に困るタイプの映画でした…。

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本作のネタバレ:核心を避けつつ、細かなシーンについては触れます。

f:id:ma2baga2:20160125005641p:plain役者陣の演技は間違いなくトップクラス。

初めに断言できることとして、メイン二人の演技にケチをつける人はまず居ないでしょう。この点に関しては誰も文句は無いだろうと言い切れるほど、お二方とも繊細な演技を披露しております。まず主演を務める男優のエディ・レッドメイン。彼はもう昨年の「博士と彼女のセオリー」で難役中の難役、筋萎縮性側索硬化症を患うホーキング博士を演じきっていたので、今更女性役くらいこなしていても驚かないんですけどね。それでも目を見張るものがあったのは、序盤の「男性役」と、中盤の「女性の振る舞いをする男性役」と、終盤の「女性役」全てを演じ分けているという点! 特に、パーティー会場での「男性が頑張って女性っぽく振る舞おうとする姿」と、百貨店勤務中の「紛れも無い女性の振る舞い」の比較なんかは顕著なのではないかと思いました。

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エディ?…凄いよね。序盤中盤終盤、隙がないと思うよ。…でも、俺は負けないよ。(言いたいだけ)

そしてそして、アカデミー助演女優賞を見事受賞したアリシア・ヴィキャンデル!!この子、コードネームU.N.C.L.E.のヒロイン、ギャビー役だった子なんですね!?観てるとき全然気づかなかった~~~!惜しいことをした!作中で凄まじく性に積極的なベッドシーンがあったので、あれをギャビーちゃんだと思いながら観てたら映像をより楽しめたかもしれないのに!…等というような不純な動機で映画を見ていてはいけませんよ~~~おじさんとの約束ですよ~~~(適当)

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コードネームU.N.C.L.E.より、ギャビーちゃんの写真も貼っておきますね。かわいい!

当時のコードネームU.N.C.L.E.の感想はこちら。

そして今回、ゲルダとしての演技はギャビーちゃんの時に見せたような幼さ、おてんばさとはまた違った魅力に溢れておりましたな~~~。

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 助演女優賞の貫禄~~~!FOOOOOOO~~~~~!!!(適当)

f:id:ma2baga2:20160125005641p:plainノれない人には、最後までノれない物語。

例によって、最初に演技を褒める時は映画自体にノれなかった時でございます…。

この映画は、アイナーという男性画家が内面に芽生える女性(リリー)としての自己に悩みながら真摯に向き合ってゆく物語であると同時に、そんなアイナーの変化を受け止めつつ、良き理解者として献身的に支えるゲルダの物語でもあります。どちらも大変美しい物語…なのですが。物語が美しくとも二人に共感できるかどうかは別問題なんですね……。正直なところ、最後の最後まで本作に乗りきれないまま劇場を後にした自分がおりました。なぜここまでピンと来なかったのか、自分でも完全には分析出来ていないのですが、根本的なことを言ってしまうとトランスジェンダーの苦悩というのがあまりにも日常から遠い位置にあったことが原因な気がします…。 いや勿論、それを言っちゃうと「じゃあお前何を観に行ったんだよ」って感じなんですけど、自分でも驚くほど興味が持続しなかった……。劇場内は女性が多かったけれど、女性の方が共感しやすい等という違いでもあるのでしょうか。

どちらかと言えば、かろうじて共感の余地が残されているのはゲルダの方で、自分に立場を置き換えて考えると境遇の壮絶さも頷けます。よくもあそこまで一途にリリーを応援してあげられたものだと感心することしきりです。それは愛する人との決別を意味するからですね。…とは言いつつも「もし急に自分の伴侶が同性に目覚めたら?」というイメージ自体トランスジェンダーほどではないにしろ現実味がないため、結局ゲルダにもそれほど共感できない…というのも正直なところ。

しかし、本作には二人だけでなく更にもう一人の重要な人物がおりまして!!このリリーの旧友「ハンス」が本映画にとって極上の癒やしだったので、ご紹介したいと思います!!!

f:id:ma2baga2:20160125005641p:plain不憫萌えハンスの魅力について語らせてくれのコーナー

このハンスというキャラクターの何がそんなに魅力的かというと、シーン毎に貴重に扱われたり雑に扱われたりと周囲の対応に落差があって、見てると不憫になってくるんですよ。そして"不憫"と"萌え"は表裏一体じゃないですか(?)。つまりそういうことです。(雑すぎる解説)

話の都合的に仕方ないとはいえ、このハンスという人物、事あるごとに退場を強いられるんですよ。アイナーの部屋に出向いた際でも「俺でよければ助けになりたい。」「じゃあ帰って!」。リリーが性転換手術中にゲルダと待っているシーンでも「俺はどうしてやればいい?」「帰って!」。いや笑ってまうでしょこんなん…。しかもなまじ凛々しい姿をしながら退場宣告されるからシュールだし、挫けず気丈に振る舞ってるところろがまたかわらしい。

何よりハンスを大好きになった一番のシーンは、病院の廊下に設置されたベンチで仮眠を取りながら待機してるシーンです!!!あそこ良かったよね~~~????ゲルダは室内でリリーに付きっきりなんだけど、ハンスは邪魔をしないように気遣ってなのか廊下で待機してるっていうのが良い…しかも寝苦しいスーツ姿で横になりながら……ああ……。はい、現場からは以上でーーす。

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本作屈指の萌えキャラことハンスさん(個人の感想です。)

最後に野暮なツッコミを一つ。序盤のベッドシーンについて、ゲルダがアイナーの服を脱がしたら、なんとゲルダの女性用下着を身につけていた!…という、申し訳ないけどどうしても絵面的には気持ち悪いシーンがあるのですが、ゲルダはそれを興奮材料へと還元したのか(?)プレイの激しさが増すんですよ。観ていた僕は「普通はドン引きするでしょ…」と疑問で仕方なかったのですが、鑑賞後に公式サイトを見に行ったら

 これを芸術家の遊びだと考えたゲルダは、まもなく開かれる芸術家の舞踏会に女性として出席してはどうかと提案する。

 って、いやいやいやいや……なんでも芸術のせいにするんじゃないよ……。

 ということで、主役二人の心情にイマイチ入り込めなかったことも後押しして、僕の中でこの映画は「ハンスのすべて」でした。(言い過ぎ)全体通して決して質が悪いわけでもなければ退屈なわけでもなく、間違いなく上質な映画!のりきれなかった理由はただただ僕が「ピンとこなかった」に尽きる…ですので未見の方は予告や公式サイトを一通り眺め、興味が湧いた人だけ足を運べばいいのではないでしょうか。 

あと何か風景がシンメトリーなシーン?が多くて綺麗だった~(取ってつけたような雑感想)   おわり。